橋野副社長、19年の単身赴任を経て
19年間の単身赴任を終え、再び岡山の地に戻った橋野副社長。
長い年月を経て培われた経験と、変わらぬ地元への想い。
岡山での新たなスタートに向けた決意を伺いました
:岡山に戻られて2ヶ月ちょっと経ちましたが、今の心境はいかがですか?
:コロナ禍の2020年7月から2年弱は自宅でテレワークする時期はあったものの、
振り返ると2006年春に沖縄で単身赴任を始めてから、当初3か月の予定が気づけば19年の単身赴任
生活。2024年12月をもってようやくその長旅に終止符を打ちました。
もう2か月経ったんだ、早いなーと思うものの、正直まだ単身赴任が終わったという実感はありません。
もう単身赴任はない……と信じたいですが、何かあればいつでも飛び出せる覚悟は持っています(笑)
そして個人的な出来事ですが、この2か月で「おじいちゃん」になりました!
数日前から、毎日孫を眺めながら「こんなに可愛い存在がこの世にいたんだ!」と、仕事の合間に癒
されています。

:お孫さんが生まれたとは、おめでとうございます!
お仕事だけでなく、ご家族との時間もより特別なものになっているのが伝わってきます。
そんな長い単身赴任生活の中で、特に思い出深いエピソードはありますか?
:たくさんありますが、子供が小さかった頃の話が一番印象に残っています。
当時は1か月に1回、3日ほどだけ帰省していました。短い期間ですが、その間はとにかく子供と全
力で遊ぶ!を心がけていました。
ある日、赴任先に戻る前に子供と「バイバイ」する際、「お父さん、今度はいつ遊びにくる
ん?」と聞かれました。
……いやいや、「遊びに来る」って!お父さん、仕事してるんやで!(笑)
でも、当時の子供にとっては「1か月に1回やってくる楽しい人」だったんでしょうね。
複雑な気持ちでした(笑)

:お子さんにとっては、お父さんとの時間が特別なイベントのような感覚だったのでしょうね。
それだけ濃密な時間を過ごされていたことが伝わってきます。
さて、今回の役員体制の変更により、「顧客満足・従業員満足の向上」や「現場改善」を担われる
ことになりましたが、この役割に対する意気込みをお聞かせください。
:「答えは全て現場にある」 というのが私の基本スタンスです。
コロナ禍で営業を離れ、経営管理本部で法務・財務などの管理業務を担当しましたが、
やはり私は現場主義・現場思考 なんだと思います。
現場の最前線にいる人こそ、顧客満足や従業員満足のために何が最適か、どの方法がもっとも成
果を出せるのかを知っていると思っています。

それを具現化するには、「個人の目線」ではなく、「組織の目線」、さらには「社会の目線」で
考えることが大事です。
現在、約50のプロジェクトがあります。機嫌よく回っているプロジェクトもあれば、「どうした
らもっと良くなるか?」、「何をしたらよいのかわからない」と悩んでいるプロジェクトもある
でしょう。
そんな時、PM(プロジェクトマネージャー)だけでなく、誰でも気軽に相談してほしいです。
「一緒に話し、一緒に現場を見て、ときには一緒に作業しながら、一緒に答えを見つける」そん
な姿勢で取り組んでいきたいと思っています。
そしてその取り組みは他のプロジェクトやこれから立ち上げるプロジェクトに応用できればと
考えてます。
:現場に寄り添い、共に答えを見つける姿勢がとても印象的です。
その考え方は、若手社員やこれからキャリアを積んでいく方々にとっても、大切な学びになるので
はないでしょうか。
最後に、若手社員や、これからキャリアを積んでいく人に向けて、仕事に対するアドバイスをお願
いします。
:時代が違うので的外れかもしれませんが、20代・30代のころの私の考え方を話します。
私は昔から「束縛が嫌いなタイプ」で、「とにかく結果を出すから、好きなようにやらせてく
れ」 というスタイルでした(笑)
ただし、この 「結果」 は、自分の中だけで完結するものではなく、「上司や会社、クライア
ントが納得する結果」 であることが大切です。
誰もが認める成果を目標にし、それを達成することに全力投球してきました。
結果を出すことで、自分が認められ、そして部下を守ることもできたし、更に自由に出来まし
た。「自由にやる」ということは、単なるわがままではなく、「責任を果たす」ことがセット
であるべきだというのを学びました。

ポイントは、自身が何に向かっているか、どうするかをなるべくたくさんの人にアウトプットするかだと思います。
これってけっこう勇気いりませんか?
こうすることで不思議なもので、同じ出来事でも 「出来ない言い訳を考えなくなり、出来るための手段だけを考える」ようになります。
アドバイスがあるとすれば、「真剣に取り組めば取り組むほど、後から『あの時こうしておけばよかった』と思うことが増える」ということ。
でも、これは全く問題ありません。むしろ、その反省が次につながるので、成長の証です。
次に同じようなことをするときに、前回よりもいい仕事ができていれば、それでOKです。
なんか小言おやじみたいになってしまいましたが、次の自身のビジョンは、地元の津山でプロジェクトを立ち上げたいと思ってます。

橋野さん貴重なお話をありがとうございました!!
長年の単身赴任生活を経て岡山に戻られた橋野副社長。
その経験を通じて培われた仕事への向き合い方や次の挑戦にかける思いをお聞きし、改めて「現場にこそ答えがある」という言葉の重みを感じました。
また、ご家族とのエピソードや若手社員へのアドバイスには、仕事だけでなく人生においても大切な学びが詰まっていました。
「自由には責任が伴う」「真剣に取り組むほど反省が増えるが、それこそ成長の証」
どの言葉も、仕事に向き合うすべての人にとって大きなヒントになるのではないでしょうか。
2025.03.07