苦手なことを仕事にするということ
苦手を仕事にするということ。
私はこの会社に入る前は、損害保険の代理店で一般事務をしていました。
朝9時から夕方5時まで、ずっとデスクに座っている(座っているのは椅子だけど)仕事です。
営業マンがもってかえってきた契約書を、データ入力し、たまに家財保険の更新連絡の電話をお客さんに入れるという仕事でした。
毎日9時に出社して、5時になったらサッと帰るんですよ。自転車で。単調な毎日でした。
それまでのアルバイト経験は、すべて立ち仕事でした。
コンビニのバイト、喫茶店、雑貨屋、家電量販店でのインターネット販売など。
接客業をメインでアルバイトをしてきた私にとっては、苦痛でしかない日々でした。
「石の上にも三年」
という言葉があります。
どんなに辛くても辛抱していれば、やがて、何らかの変化があって、好転の芽が出てくると言うこと。とのことです。
せっかく入社した会社だったので、3年は続けよう、どんなにいやなことがあっても辞めまいと決めていました。
最初のころは、昔ながらの縦社会、年功序列の社風にうんざりして気が狂いそうになることもありましたが、
職場で一番権力がありそうな人に気に入られることによって、どうにか自分が過ごしやすい環境を作っていくことには成功しました。
よく話してみると、周りからは恐れられていても、仕事にはまじめで面倒見のいいひとだったりします。
先入観や、周りの評価に惑わされてはいけません。
3年経ったころ、留学がしたかったので退職の道を歩みました。会社の先輩たちには明るく送り出してもらったにもかかわらず、結果つなぎのために入ったグラウドという会社でもう気づけば11年務めています。もちろん留学はできていません。
留学の夢をあきらめたわけではありませんが、グラウドに残った時の判断材料は、「どちらが苦しいかで決めよう」でした。
前職の会社でも、苦手ながらに「デスク業務」を延々続けた結果、”勘定科目”という謎のワードを覚え、少しの会計の知識を身につけることはできました。もちろん長く椅子に座っているという高スキルもです。
グラウドに入ってからは出社して、気づいたら退勤時間。
というような日々を過ごします。当時はまだ6名ほどの会社でした。
余談ですが、その時の戦友は、服部さんと野地岡さんです。
服部さんは現在育児に、野地岡さんは執行役員として日々奮闘されています。
グラウドに入社して、苦手なことばかりやってきました。
細かく何かを計算することも、データの作成も、入念なチェックも苦手です。
すべてが苦手なことで、得意なことはいままで何一つやってきていません。
ただ、苦手なことを克服しようとすると「どうにか楽しめる方法はないか」と本能的に考えるようになります。
24時間の大半を仕事に費やしているわけですから、自分の人生を「苦手意識」のまま過ごしたくないというのが一番の理由です。
そうやっているうちに板についてきて、気づいたら「得意分野」になっていたりするものです。
ただ、これは「積み重ねてきた人にしかわからない」ことです。
最初からできる人はいません。積み重ねて、どうにか耐えてきた結果です。
向いていないかも、と判断するのは早すぎるかもしれません。
得意なこと、好きなことをより一層極めるタイプの方もおられます。そうやって成功した人に何人も会ってきました。
ただ、立ちふさがる壁は、得意であろうが苦手であろうが、自分自身の「人生の壁」なので、今その壁を越えずとも、いつかはまた目の前に現れます。避けては通れない道です。
それを超えれば一歩上の景色が見られるわけですが、得意分野でのみ発揮できるわけじゃないということを皆さんには
知っていただきたいですね。苦手なことを続けていても同じ景色はみることができます。
少しでも「苦手分野」に対するイメージが変わってもらえると記事を書いた甲斐があります。
ではまた次の投稿でお会いしましょう。